小論文試験の後に昼食を挟み、受験番号の若い順に面接が行われる予定だった。
受験者達はトイレに立ったり、持参した昼食を席について食べたりしていた。
所々で会話をしている声がかすかに聞こえる以外は教室内に音はなく、ひっそりとした雰囲気だった。
私は田所さんと隣り合って座り、ここへ来る途中に買っていたコンビニのおにぎりとパンを食べた。
田所さんはお弁当を持ってきていた。
ここでも田所さんと会話が弾むことはなかった。
おそらく自分が田所さんに対して親しくならないようにバリアを張っていたのだと思う。
そこには自分と同じ短大の受験をしているということに伴うライバル視、
自分は合格しても彼女が合格することはないという勝手な思い込み、
独りよがりの優越感、醜い感情の集大成があった。
私は醜い邪鬼にすぎなかった。
その後行われた面接に関してはほとんど記憶が残っていない。
面接が終わった順に帰路についたと思う。合否の発表は1週間後だった。
来週の今頃、私はきっと清々しい気持ちでこの夕日を眺めることになる。
この程度の学校に落ちるわけがないのだ。私はもっともっとレベルの高い学力を持っているのだから。
落ちるわけがないのだ。
帰りの電車の中で自分にそう言い聞かせていた。